
ご挨拶
地域精神医療福祉を創る対話と実践
第25回日本外来精神医療学会開催にあたって
この度、令和7年11月22日(土)23日(日)の2日間、鹿児島で、第25回日本外来精神医療学会を開催する運びとなり、ご挨拶を申し上げます。
本学会は、外来精神医療・精神保健・福祉に携わる方々が職域・職種を越えて集い、外来臨床の実践知を交換して研磨し合い、わが国の外来精神医療の発展を目指すことを目的に2001年に設立されました。
記念すべき第25回となる本大会では、テーマに「地域精神医療福祉を創る対話と実践-当事者・家族・支援者とともに考え行動しようー」を掲げました。
23日午前の特別講演には、長崎大学精神科神経科教室教授熊崎博一先生をお招きして、遠隔診療、ロボティックス、AI を取り入れた世界最先端の精神医療についてご講演いただきます。また、教育講演では、元熊本学園大学大学院社会福祉学研究科福祉環境学専攻教授下地明友先生に、精神医学と医療人類学のフィールドから、文化、風土、病、回復の視座をご講演いただきます。午後からは、鹿児島大学精神科神経科教室教授中村雅之先生に教育講演をおこなっていただきます。
22日は、「当事者・家族・支援者とともに考え行動しよう」をテーマにそって、一般公開プログラムを開催いたします。障害者自立支援法(現障害者総合支援法)による障害福祉サービスが始まって、25年が経ちました。病があっても地域で暮らし、生活を失わずに療養する目的で、在宅支援が広がりつつあります。
第1部では、医療、福祉の現場からの発表、患者、家族の声にも耳を傾け、それぞれの経験を生かしてともに考え、暮らすための支援、実践を模索します。第2部では、精神科医中井久夫先生の講演録『統合失調症の過去・現在・未来』(2020年、ラグーナ出版)を軸に、本書の解説を執筆した、精神科医高宜良氏、精神科医にして劇作家の胡桃澤伸氏、ピアサポーターの伊坂陽子氏、家族会の永田實喜氏を迎えて、未来につなぐ治療思想をたどります。
本大会の事務局を担う株式会社ラグーナ出版は、心の病を抱えながら働き、暮らしを支え合う障害福祉サービス多機能事業所です。「病の体験を言葉にして生きる力に変えよう」を合言葉に、病に向き合い、対話しながら本を作ってきました。私たちは、地域でともに働くことで、病の困難や世に棲む苦労を乗り越え、そこから得た力は、病の有無にかかわらずたくさんの人の助けになることを実感しています。
最後まで尊厳を持って、自分が自分の人生の主人公として暮らすことができる社会をつくるために、皆様と一緒に、考える機会となりましたら幸いです。
第25回日本外来精神医療学会
大会長 森越 まや